自炊生活において、汁物と炒め物・・・正確には「煮るだけ」「炒めるだけ」のメニューは、かなりのウェイトを占めるのではないでしょうか。
小さなお子様や大好きな恋人がいらっしゃる方、グルメな方、料理が趣味という方は、違うのかもしれません。特に、一食一食が「食育」を兼ねている場合、蒸す・練る・漬け込むといった調理法の違いを味わう事も、大切な学びとなるでしょう。
しかし、「とりあえず自分一人が食べられたら大丈夫」「調理に時間を掛けたくないが、インスタント食品頼りには抵抗がある」という合理的(面倒くさがり)かつ若干真面目な社会人の方々には、冒頭の主張にご賛同頂けると思います。
特に汁物!野菜や魚介類を刻み、目分量で味付けをして、数分火にかける。それだけで、美味しい一品が出来てしまいます。鍋で煮込む間にサラダを作るも良し、メインの肉を焼いても良し。きちんとスープを飲み干せば、素材の栄養を丸ごと摂れる。手軽さ・味わい・健康、全てにおいて優秀です。
ところで、「料理アプリ」も、今や自炊生活に欠かせないアイテムと言えるのではないでしょうか。私自身も、下ごしらえを簡素化したレシピ、特定の食材(生クリーム等)が無い時の代用レシピを何度も検索しています。「頂き物の山菜、どうやって食べたら良いの」「大量に余っているキャベツ、傷む前に何とかしなければ」なんて時にも、さくっと解決出来て助かります。初心者でも簡単に、手持ちの材料だけで作れるメニューが豊富なので、気軽に新作に挑戦出来ます。写真付きで、材料の配分や混ぜ具合が一目で分かるところも嬉しいです。
今の食生活に満足していますし、これからも続けていくと思います。ですが・・・例えば、「煮物を作って」と言われた時や知人の子供に料理を教える時、揃える食材や調理方法に戸惑いが生じるのです。いつも作っているあの料理は、「正しい煮物」なのか。私の手順を真似した結果、この子が将来、恥ずかしい思いをしてしまうのではないか。不安を埋める様に、こっそりと初心者向けの料理本を開いてしまったりするのです。
先日、料理教室の体験講座に行きました。先生の手際の良さはもちろん、しっかりと出汁を取った味噌汁のコク、火加減を変え丁寧に煮詰めた照り煮の艶にも驚きました。料亭の様な華やかさはないけれど、毎日食べ続けても飽きる事はない・・・そんな、家庭料理の神髄を垣間見た気がしました。
普段の食事は素早く簡単に、時折基本に忠実な料理を練習しておく。そんなバランス感覚を大切にしたいです。