古くて新しいめっき装置

金属の薄膜を形成する方法として、思い浮ぶのは蒸着装置、スパッタ装置を用いて真空中で金属薄膜を形成する物理的方法、CVD装置、めっき装置を用いて形成する化学的方法があると思います。

蒸着装置、スパッタ装置、CVD装置は真空系で形成する方法なので装置としては高額なものが多いと思います。めっき装置はそれらに比べ装置構成が単純なので安価な方かも知れません。また、めっきは他の方法に比べて金属膜厚みを厚く形成できます。めっきは無電解、電解があります。
昔、ビーカーに硫酸銅を溶かした溶液に正負の電極を入れて直流の電気を流すと負電極に銅が堆積する実験があったと思います。これが電解めっきと同類です。金、銅などが形成できるようです。無電解はめっき液に浸しておくだけで金属が析出形成されます。ニッケルが代表的だと思います。

めっきは古くて新しい金属薄膜を形成する方法だと思います。古いイメージのめっきで思いつくのはスプーンとかの光沢のあるクロムめっきです。昔、クロムめっきは廃液が公害問題になったように記憶してます。今では廃液処理・管理もちゃんとしているのでそういうことは無いようです。新しいめっきでは半導体に用いられているようです。半導体チップを積み重ねるような金属接合のバンプなどを形成するのに使われているようです。

高価な蒸着装置、スパッタ装置、CVD装置を用いていては、半導体チップの価格か高くなるので割安なめっき装置を使うようになったのかも知れないです。シリコンチップを作る際にめっき液にいろいろ含まれる添加剤などが汚染源になるのを恐れてめっきでの薄膜形成はずっとやってなかったように思います。何か大きなブレークスルーがあったのかは知りませんが、最近はめっきでの形成は行われているようです。半導体に使うのだから形成される金属膜は均一に精度が良い必要があると思います。めっき液のPHやら液温、比重、流量などのモニターはもちろん制御をする必要があるので、めっき装置もますます進化していくだろうと思います。